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BLACK WOLF~crime~
第1章 籠ノ鳥







もう何も考えられない…。

ハルちゃんのことも、自分のことも…。

「あっ、あっ、あぁぁっ…」

「…ん、出すぞ。俺ももう保ちそうにねぇっ」





拘束されてようが、無かろうが、私はいつもこの人の欲を受け止めるだけの器。

いつもそうだ。






「あ、もう無理…っ!ああああああっ!!」





早く、早く終わらせて…っ。





「いやああああぁぁぁぁぁああぁぁぁぁっ!!」

「ふっ━━━━━━━━っ!!」








黒埼さんの欲が私の中で弾けた。

私の体はそれを一気に受け止めた。








「はっ、はぁ…んっ」

「………あんな幼馴染みのガキに頼りやがって」

黒埼さんの小さな唸り声が耳に入った。

いつもならちゃんと聞こえる黒埼さんの声が何故か水中のように籠って聞こえる。

必死で抵抗して叫んだせいか、喉も腕もヒリヒリと痛い。

汗をかいたせいで少し肌寒さも感じてる。

私の中に絞り出した黒埼さんの生身がゆっくりと引き出された。




「どうし……て…。あっ、ん」

文句の1つでも言いたいのに、声すら出ない。

力を入れれば余韻のせいで体に残った小さな快楽が暴れる。

「どうして、だ?自分の胸に聞けと言ったはずだ…」

「あっ、…っ」

「あぁ。そうだ。残念だがそんな体じゃ仕事にもあの坊やの元へも帰れねぇなぁ」









わからない。

黒埼さんの考えも、頭の中も、何もかもわからない。

ただ、こんな時ですら私はぼんやりと仕事の事を考えていた。







結局、サボりって事になっちゃったな…。

明日、桜木さんに謝らなくちゃ…。

でも、こんな体で何て説明すればいいかな…。

















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