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BLACK WOLF~crime~
第3章 蜘蛛ノ糸









プルルルル…、プルルルル…





静かな部屋に鳴り響く携帯。

でも、私はそれを取れないままでいた。

黒埼さんとの関係が職場にバレて、嫌がらせを受けて、それでも頑張って仕事に励んでいたが限界が来てしまったのだ。




プルルルル…、プルルルル…、プルルルル…




「━━━━━っ!」

カーテンを締め切って、ドアにはチェーンをかけて、家のチャイムにも応答出来ないでいる。


あれから暫くは職場には通ったが嫌がらせは日に日に強くなるばかり。

ロッカーにペンキでイタズラ書き。

"淫乱"だの"売女"だの、あること無いことを書かれ、徹底的に無視をされ、今はどうやって調べたのかはわからないが…



プルルルル…、プルル━━━━「…もしもし」

『ブスッ!さっさと別れろ!』…ツー、ツー、ツー…



携帯にまで嫌がらせの電話がかかって来るようになったのだ。

朝から夜まで鳴りっぱなしの携帯電話。

外に出るのが怖くなった私は職場をやめて、部屋に閉じ籠るようになってしまった。

働かなくちゃいけないのに、こんな事してる場合じゃないのに、外が恐い。

人の目が恐い。



プルルルル…、プルルルル…

携帯の電源を落とせばいいだけだがそうは行かない。

黒埼さんからの電話に出れなくなっちゃうし、出なかったら後で問い詰められてしまう。

私が今こんな事になってるのは黒埼さんのせいでもあるのに…。

ただ、一緒にいただけなら言い訳出来るけど職場に電話をかけて交際宣言とも取れるような事を言ったからだ…。



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