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第1章 ガパバビッチ

「ぐぎゃあ！！」

突然女は悲鳴をあげて気絶した。
長谷堂は自分の体の上で伸びている女を振り落とす。

「大丈夫だった長谷堂君？」

「ひっ！？」

バットを手にした女が立っている。
おそらくバットで長谷堂を襲った女の後頭部をぶん殴ったのだろう。

「あ、ありがとう……榊原」

女の名は『榊原 貞子』
あの山村貞子のように長い黒髪の持ち主で、顔半分を前髪が覆っている。

更に黒魔術や降霊術などの知識もあり、学校中からヤヴァイと言われている。
長谷堂もあまり関わりたくないらしい。
まあ残念な美人というやつだ。

因みに貞子にぶん殴られた女は『花宮 明日香』
ただの変態だ。

「じ、じゃあまた明日」

長谷堂は逃げるように去っていく。
その後ろ姿を貞子は妖しく見つめている。

「……長谷堂君にお礼言われちゃった……ひひひ」

魔のオーラを噴出しながら不気味に笑う貞子。
そしてゆらゆらと体を揺らしながら帰っていくのであった。