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第14章 研究者達は、目を引くほどの健康体の篤志の体を隅々まで調べた。

　研究者達は、目を引くほどの健康体の篤志の体を隅々まで調べた。
　
　シミュレーター内の篤志の全てのデータは詳細に分析された。
　実際の肉体には触れていないものの、画面の中で解剖されていた、と言ってもいい。
　体の機能をより詳しく調べるため、実世界では出来ないような実験をされた、とも言える。
　
　実験後、体を全く元通りにすることで、篤志本人も気付かぬまま、様々な手が加えられた。

　そしてデータを取り終え、分析が始まり、その間篤志は放置された。

　その時に重大なミスが生じていた。
　篤志の性機能を停止させたままだったのだ。

　性行為を活力の源にしていた篤志は、みるみる衰えていった。
　研究者達が気付いたのは、それからしばらく経ってからだった。

　しかし夫婦は、この困難を乗り越えた。
　今まで以上の愛情で結ばれた。

　研究者達は、篤志の体の機能を全て元に戻した。

　突然の回復に篤志は言葉も出ないほどに喜び、その夜、二人は激しく交わった。

　その夜こそ、今までにないくらい激しい行為が行われたが、その後、篤志は落ち着いた行為を好むようになった。
　勃起出来ない期間に重ねた、静かな交わりによって得た、心の充足をもっとも重視するようになったからだ。

　篤志と恵子は、その後、より深くお互いの愛を感じ、子供にも恵まれ、幸福な日々を送っている。