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快楽の奴隷
第9章 約束
「なんだ、悔しいって?」

可笑しそうに笑って問い掛ける。

「だって……未だに高梨さんは私の前で精子出してくれてないんですよ……今日こそはって思っていたのに……」
「そんなことまだ気にしてたんだ?」
「気にしますよっ、そりゃ!!」

子供っぽく膨れた表情をする花純は珍しかった。
その頬の膨らみを高梨は指で押して潰す。
空気が漏れ、怒った顔が崩れて笑顔になる。

「じゃあ今夜は花純に射精(だ)させて貰おうか?」

フローリングの床に花純を組み敷き、高梨が覆い被さる。

「いいんですか……その」
「今日原稿を渡したところだ。今夜くらいは……いいだろう。もっとも花純が俺を満足させられたら、の話だが?」

目を細めて笑った彼は先端を花純の濡れ穴に添えた。

「あっ……ゴム……」と花純が言った瞬間に高梨は己を彼女の中へとぐぐっと捻り込んだ。

「ゴムはなしだ……」
「でもっ……私っ……」

計算的には安全とは言えない夜だった。
その続きを言わせないように高梨の唇が重なる。
ズクッと重い熱が花純の奥の方で点火される。
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