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第3章 電車内での恥辱

そして高梨の文面には何か含みを持たせたような気味の悪さが感じ取れた。

相手にしてはいけない。脳はそう命令しているのに、憑かれたように返信してしまう。

『あれ以来ネカフェではしてません。
あなたのような変態がネカフェにいると知りましたので。
あなたが誰かに漏らしていないかと心配しています。
もし変なことをすれば警察に訴えるつもりです。隠し撮りなんかしていないでしょうね？』

弱気になったらつけこまれると思る。顔が見えないツールの便利さで、やや語気を強めたメールを送信した。

『なかなか鋭い指摘だね。
思ったよりバカじゃないみたいだ。
隠し撮りしたデータを消して欲しければ条件がある』

その返信を見て花純は喉の奥で悲鳴をあげた。
恐れていたことが起きてしまった。
血の気が引いた彼女は震えながら必死でメールを打つ。
そして彼からの『データを消す条件』が提示された。

「そんなっ……」

その内容を読んだ花純は恐怖で震えていた。
しかし逆らえば大変なことになる。

『もし逆らったらっ……』
涙を溜めながらその条件を飲むことを誓うメールを返信するしかなかった。