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第3章 電車内での恥辱

----午前７時５分。
いつもより２０分早い時間に花純はプラットホームに立っていた。

普段よりは早いものの、既に通勤時間帯のために駅は混雑している。
高梨からの指示通り第二車両の一番前のドアのところで電車を待っていた。

「へぇ……逃げずにちゃんと来たんだ……」

突然背後から高梨の囁きが聞こえ、花純はビクッと震えながら振り返る。
そこにはパーカーにジーンズを履き、キャップを目深に被った高梨が立っていた。

前回会ったときのようなスーツ姿を想定していた彼女はあっさりと背後を取らせる失態を冒してしまう。

そして戸惑う暇すらなく『間もなく電車が到着します』というアナウンスが流れる。
花純は緊張と恐怖で身を固くした。
これから目的地までの３０分間、地獄のような恥辱を覚悟していた。