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快楽の奴隷
第12章 『嗤う人形』
「そんなに泣くほどのことか? エロ小説だぞ?」
自虐的に笑いながら高梨は花純の頭を撫で続けてていた。
日陰でもいい。
あなたの為に尽くせるならば……
花純はそう言いたかったが、涙で言葉が出なかった。
泣き止むまでずっと高梨は抱き締めていた。
ふとリビングに視線をやり、彼は床に転がる本を見つけた。
『嗤う人形』
その毒々しい表紙を見て、彼の鼓動は早鐘を打つ。
しかし高梨の上で呼吸を乱して泣いている花純は、彼の心拍数の変化に気付けなかった。