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快楽の奴隷
第13章 ミューズ
「ううっ……」

最後の一撃が子宮に響き、脳が揺れる。
まだ達していない高梨だったが、腰を引いてずるりと身を抜いた。

「朝から激しくイッたな……」

労(ねぎら)うように乱れた花純の髪を撫でる。

「高梨さんのせいでしょ……もうっ……」

満足と安堵に満たされた花純はおでこを彼の胸に当てて拗ねた。

昨夜から降り続いている雨はまだ止む気配もなく、静かな雨音が少しだけ開いた窓から聞こえてくる。
休日の朝の穏やかな雨はしっとりと湿度を上げていた。

花純の肌の温もりが高梨の心を安らげる。
悪夢で呼び起こされた古傷の痛みも、和らぐ気持ちがしていた。
高梨は何も語らず、花純の額にキスをする。

「んっ……」

花純は日向の猫のように、眩しげに目を細めて微笑む。
その愛らしさを文字にしたくて、高梨の心が躍る。

「食事、しましょうか?」
「そうだな……」

そう言いながらも離れがたい二人は唇を重ねて、強く抱き締めあっていた。
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