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快楽の奴隷
第15章 求めすぎる心
高梨は雛鳥に餌を与える親鳥みたいに、優しく唇を重ねた。
「もっと……」
花純も甘えた声でふざける。
目許にシワを寄せ、年相応に落ち着いた笑みを浮かべた高梨は、ちゅっちゅっちゅっと年甲斐もない可愛らしいキスを落とす。
花純は嬉しそうに目を細めてそれを受ける。
本当の悲しみは互いに消えていない。
けれどその傷が癒えないことくらい、二人とも知っていた。
だからこうしてふざけて遣り過ごそうとした。
生きていけば誰しも脛に傷のひとつやふたつ、持っているものだ。
その痛みとどう付き合っていくかで、人生は大きく違ってくる。
そして本当に大切だと思える人と出逢えた時、自らの過去の傷を悔いる。
明かすか、隠すか、共有するか、拒絶するか。
分かち合い、互いの傷を理解しあい、慈しめる相手と出逢えた時、人は大きく変化できる。
高梨も花純も、大きく変わろうとしていた。
「もっと……」
花純も甘えた声でふざける。
目許にシワを寄せ、年相応に落ち着いた笑みを浮かべた高梨は、ちゅっちゅっちゅっと年甲斐もない可愛らしいキスを落とす。
花純は嬉しそうに目を細めてそれを受ける。
本当の悲しみは互いに消えていない。
けれどその傷が癒えないことくらい、二人とも知っていた。
だからこうしてふざけて遣り過ごそうとした。
生きていけば誰しも脛に傷のひとつやふたつ、持っているものだ。
その痛みとどう付き合っていくかで、人生は大きく違ってくる。
そして本当に大切だと思える人と出逢えた時、自らの過去の傷を悔いる。
明かすか、隠すか、共有するか、拒絶するか。
分かち合い、互いの傷を理解しあい、慈しめる相手と出逢えた時、人は大きく変化できる。
高梨も花純も、大きく変わろうとしていた。