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快楽の奴隷
第17章 闇と光
押される強さに負け、花純は乳房までガラス窓に押し付ける格好になる。
それでも赦さずに彼は腰を撃ちつけた。

「ああっ!! んあぁあっ!! ひゃっ……ううっ!! 壊してっ!! 私を駄目にしてっ!!」

止まらない快楽に囚われた花純は、性奴さながらにねだる。
昼間の楚々とした花純と同じ人物とは思えないほど、乱れた願いを叫んでいた。
その懇願で高梨は一層高ぶった。
興奮で更に硬度を増し、くっきりと穴を彼の形にかたどる。
眼下に広がる街の灯りも快楽で滲んで見えていた。


肌を重ねながら、高梨も思う。
人を愛することがこんなに素晴らしいと教えてくれた花純。
孤独のうちに生きてきた自分を暖めてくれた最愛の女。
愛をかたちにすることは出来ないが、快楽として感じさせてやることは出来る。
--性悦はかたちの残らない芸術だ。
脳の奥が痺れるほど快楽を覚えたり、息が出来ないほど達したり、このまま死んでもいいとさえ思えるほどに快楽を与えてくれる。
音楽でも絵画でも文学でもここまで人の心を打つ芸術はない。


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