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快楽の奴隷
第18章 なくして、得るもの
「はい、どうぞ」
花純はテーブルに酢豚を盛った皿を置く。
出来立てのとろみのあるあんから芳ばしく甘酸っぱい香りが広がり、空腹の安野鈴子(あんのすずこ)の胃袋を刺激した。
「わぁ……さすが花純。女子力高いし」
「これくらいで大袈裟だから」
「ほんっと、いつまでもここに住んでて貰いたいくらいだし!!」
何気ない言葉で居候の花純を気遣う。
高校の頃から変わらないその性格に花純は安らぎを感じずにはいられなかった。
高梨の前から姿を消した花純は、当然引っ越しの準備などはしておらず、身一つでこの友人の家に転がり込んだ。
とは言えこの友人の住むアパートは実家や高梨の住むところからそれほど離れている訳ではない。
電車を乗り継げば四十分で行ける場所に位置していた。
突然やって来て『泊めて欲しい』と言った花純を、鈴子は訳も聞かず了承してくれる。
そんな親友に涙が溢れるほど感謝していた。
転居先は親にすら知らせず、大学卒業以来勤めてきた会社も姿をくらます前に予め辞めていた。
花純はテーブルに酢豚を盛った皿を置く。
出来立てのとろみのあるあんから芳ばしく甘酸っぱい香りが広がり、空腹の安野鈴子(あんのすずこ)の胃袋を刺激した。
「わぁ……さすが花純。女子力高いし」
「これくらいで大袈裟だから」
「ほんっと、いつまでもここに住んでて貰いたいくらいだし!!」
何気ない言葉で居候の花純を気遣う。
高校の頃から変わらないその性格に花純は安らぎを感じずにはいられなかった。
高梨の前から姿を消した花純は、当然引っ越しの準備などはしておらず、身一つでこの友人の家に転がり込んだ。
とは言えこの友人の住むアパートは実家や高梨の住むところからそれほど離れている訳ではない。
電車を乗り継げば四十分で行ける場所に位置していた。
突然やって来て『泊めて欲しい』と言った花純を、鈴子は訳も聞かず了承してくれる。
そんな親友に涙が溢れるほど感謝していた。
転居先は親にすら知らせず、大学卒業以来勤めてきた会社も姿をくらます前に予め辞めていた。