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快楽の奴隷
第18章 なくして、得るもの
揚げた肉に甘酢を直前に絡めていたので、しっとりとした食感とかりっとした食感の二つが楽しめた。
料理が苦手な鈴子はいちいち絶賛しながら食事を楽しんでくれる。
学生時代から変わらない友人の温かさは折れそうな花純の心の支えとなっていた。

「あーご馳走さま!!」

両手を合わせた後に鈴子は皿を流しに運び、そのままスポンジを手にした。

「あ、いいよ。洗い物するから」
「いいって!! 作って貰った上に洗い物までさせられないから。共同生活の鉄則でしょ」
「共同生活って……私が勝手に押し掛けただけだし」

いくら気遣わないようにして貰ってもそれに甘えるわけにはいかない。
花純はシャツを捲り、スポンジを鈴子から奪った。

「うわー。上げ膳据え膳ってやつ? もう結婚しようっ、花純!!」

ふざけた鈴子は花純に抱き付いた。

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