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快楽の奴隷
第4章 禁忌の絶頂
彼については異常なことだらけだが、不思議と花純が一番気になったのは彼の射精についてだった。

一度目はネットカフェのブースで指でイカされた。
二度目は電車でいたぶられたあと、多目的トイレでセックスをされた。

そのいずれとも高梨は射精をしていない。

どうでもいいことと言えばそれまでだが、花純にはそれがどうしても引っ掛かる。

セックスをしたのだから性的不能者でないのは間違いない。

普通男性は女性が達しようが達しまいが己の絶頂を基準に考えるはずだ。

それなのに彼は二回とも自らは射精をせず、花純だけを絶頂に導いている。

何でだろう、と彼女は思考を巡らせる。
しかし考えれば考えるほど、真実とは遠ざかるような気持ちになっていた。
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