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その恋の行方は…
第1章 …暗黒のその時
俺が上に重なったままソファーに落ちたその瞬間…

ほのかは正気のない目で小刻みに震えながら動きを止めた。


ほのかは俺の予想通りさっきと同じ反応をした。

怯えさせてしまったが、とにかくこれで動きは止まった。

俺は、ほのかの柔らかな身体の感触に未練を感じながら、

それでもこのままほのかを怯えさせたくなかったので

そっと彼女から離れ、彼女の右手を柔らかく握って隣に腰掛けた。


ほのかは固まったままソファーに横たわっている。

しばらく、手だけがつながったまま二人の間を沈黙が漂う。

俺は、穏やかな声色になるように気をつけながら、口を開く。


「すまない。でも、立ち上がって暴れれば、お前がけがをしてしまう」

ほのかは「けが」という言葉に反応して、

ソファーの上で起き上がり、俺の足元を見て、その目を見開いた。

一緒に視線を自分の足元に向けると靴下が赤く滲んでいる。


さっき刺さったから…

でもほのかの中に渦巻くどす黒い感情の渦と比べればこんなもの、

なんてことはない。

「あぁ。ごめんなさい。わたし…」

ほのかの目からまた涙が溢れ、ぐっと唇を噛みしめる。

余りにも強くかみしめたのか艶やかな唇から、一滴赤いものが流れて…

落ちた。
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