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その恋の行方は…
第1章 …暗黒のその時
ある日夜に、突然マンションの呼び鈴が鳴る。
こんな時間に誰だろうとモニターを見て大きく目を見開く。
彼女が何の前触れもなく訪ねてきたときには
本当にびっくりした。
そして、こんなに遅い時間なのに制服姿にスリッパ。
カメラの映像からでも伺える疲労困憊した姿に
「そのままそこから動くな!!」
俺はインターホンを叩き切ってエレベーターに向かって走る。
うまく言えないが黒いものが込み上げ嫌な予感にあわてて降りて行った。
エレベーターをあわてて飛び出すと
玄関ホールでしゃがみ込んで憔悴しきった姿。
それを実際に目にすると、
「ほのか?」
思わず名前で呼んでしまった。
それ以上言葉が出なくなりほのかが求めても来ていないのに
膝をついて抱きしめてしまった。
ほのかが一瞬びくっとする。そして
「佐々木さん…」
とだけ言った。
俺がほのかを直接名前で呼んだのはこの最悪の時が初めてだった。
今までも何度もほのかを抱きしめたことはあった。
眞人がいなくなった時…
見つからないまま過ぎていく年月の中で、辛くなった時…
特に春、桜の咲くころにはその記憶が蘇るのか
取り乱すことが多かった。
そして、俺に抱擁を求めて手を伸ばしてきたときだけ…
俺は眞人の代わりにとほのかを抱きしめた。
こんな時間に誰だろうとモニターを見て大きく目を見開く。
彼女が何の前触れもなく訪ねてきたときには
本当にびっくりした。
そして、こんなに遅い時間なのに制服姿にスリッパ。
カメラの映像からでも伺える疲労困憊した姿に
「そのままそこから動くな!!」
俺はインターホンを叩き切ってエレベーターに向かって走る。
うまく言えないが黒いものが込み上げ嫌な予感にあわてて降りて行った。
エレベーターをあわてて飛び出すと
玄関ホールでしゃがみ込んで憔悴しきった姿。
それを実際に目にすると、
「ほのか?」
思わず名前で呼んでしまった。
それ以上言葉が出なくなりほのかが求めても来ていないのに
膝をついて抱きしめてしまった。
ほのかが一瞬びくっとする。そして
「佐々木さん…」
とだけ言った。
俺がほのかを直接名前で呼んだのはこの最悪の時が初めてだった。
今までも何度もほのかを抱きしめたことはあった。
眞人がいなくなった時…
見つからないまま過ぎていく年月の中で、辛くなった時…
特に春、桜の咲くころにはその記憶が蘇るのか
取り乱すことが多かった。
そして、俺に抱擁を求めて手を伸ばしてきたときだけ…
俺は眞人の代わりにとほのかを抱きしめた。