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その恋の行方は…
第1章 …暗黒のその時
これはもしかして……

早くほのかから離れなければ……

俺は、素早くほのかの身体の脇に両手を突いて

体重を移動してから起き上がり、ソファーを降りて床に膝をついて座る。

ほのかは正気のない目をして、ソファーの上に起き上がり座る。

身体は小刻みに震えたままで、涙は止まっていた。

「ほのか。ほのか?」

穏やかにそっと彼女の名を呼んだ。

その声にほのかは静かに目を見開いて俺を視界に入れてくれた。


「大丈夫だ。嫌がることはしない。何をしてほしいか教えてくれ」


ほのかは震える両手をゆっくりゆっくり伸ばす。

何をするのかと思えば俺の頬に指先を伸ばしてそっと触れた。

そして両頬を手で包み込むようにすると、

ゆっくり俺の顔を自分の方に向かせる。

とても親密な距離に、戸惑わないわけではなかったが、

俺は抵抗することなく、ほのかのされるがままになった。


ほのかの震えが伝わって俺の視界が小刻みに揺れる中、しばらく見つめ合う。

ほのかの触れる指から、

ほんの少し温かく溢れるような思いが流れてくるような気がした。

『「佐々木さんの所にいれば、大丈夫。もう怖くない」』

ほのかが自分にそう言い聞かせるか弱い声が俺の心に入ってくる。

彼女の心の奥底に秘めた言葉。

俺の今までの行為は……

努力は……

決して無駄じゃなかった。
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