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揺れる恋 めぐる愛
第6章 宣告と告白
一瞬にして車内が凍りついた。

意図してそうしたのだが、睨むように運転席の方を見上げようとした私は……

息を飲んで唇を噛みしめた。

そこには切なさを孕み澱んだ目をした男しかいなかったから……


「お前の事を……

そんなふうに思ってる訳じゃない」

座席に座ったままエンジンをかけることなく、ただハンドルを握り締める。


「今まで何物にもほぼ執着しなかった俺が

どうしてもお前の事だけは……

この感情がなんなのか未だにわからない。

俺らしくないとわかっていても気になるし、

放ったらかしておけない……」


天井を仰ぎ小さな声で呟くように言葉を吐き出した。

「まあ、今の言動じゃ何も信じてもらえるわけがないよな?

最初があんな風で、強引に引きずり回して……

単なる身勝手なヤツだ!?

そうやって振り回して奪っておしまいに……

できないんだ」

主任は唐突にこちらに真剣な目を向けた。


「捨てなかったんじゃない。捨てたくなくなったんだ。

お前の何が俺をそんな気持ちにさせるんだ?

それすらわからないのに、それでもお前と会いたいと思うなんて……

どんなに忙しくなってもそれでも無理をして時間を割いて

気が付けばこうやって顔を見ようとするなんて。

本当に俺らしくない」
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