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揺れる恋 めぐる愛
第6章 宣告と告白
周りの視線が痛い。

それを身体中に感じながらも、私の涙は止まらなかった。

突然吹っ切れと言いつつ、他の女の存在をチラつかせる……

先輩よりもよっぽどひどい話だ。

それなのに私はどうしてこんな人を拒否しきれないんだろう……

この人に流されてしまうのだろう……

その間主任は何も言わず、ただ静かに見守っていた。


そして私の嗚咽が徐々に収まり、少し気分が落ち着いて、

周りの様子をうかがおうと顔を上げようとすると、

視線の先に1枚のハンカチが差し出された。

「それでよければ拭け。

それから落ち着いたなら、場所を移動したいんだがいいか?」

わたしは俯いたまま主任のハンカチを受け取り、うなずいた。

主任は伝票を左手に、右手に私の手を取り立ち上がった。


それから、主任の車に乗せられる。

主任は運転して、私は助手席に。


「本当はどこか、静かな場所で話したいんだが。

でも密室で完全に二人きりなのは藤木は……

嫌だろう」

少し遠慮気味な主任。

でも訳の分からなくなって半ばやけな私は、

「いつもの主任みたいにしたらいいんじゃないですか?

なんだったらホテルでも行きます?

何をしたいのか知りませんがあそこなら二人っきりになれますよ……」
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