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揺れる恋 めぐる愛
第2章 日常と非日常
それでも……
いつまでも浴室に逃げているわけにもいかない。
ふやけた肌。火照った体に、凍るように冷めた心。
シャワーを止め、タオルを取るとふわっと鼻に……
シャボンの香りがした。
その懐かしい香りのせいで……
また涙が出そうになるのをぐっとこらえる。
対峙するために、涙を武器に使いたくない。
身支度を整え、意を決してドアを開け部屋に立ち入る。
部屋は暗かった。
そして、ベッドは乱れてそのままだったが……
人の気配はない。
主任はすでにそこにはいなかった。
テーブルにはホテルのお金と思しきものとメモ。
そのメモにはメールアドレスがだけが書いてあった。
勝手に帰れってことなのだろう。何かを望んでいるわけではなかったけど…
やり棄てられたような、嫌な気持ちになる。
それなのにメモを指でつまみあげ、自分のカバンにから携帯を出し、
ソファーに身体を沈めてから、瞼を閉じ深呼吸する。
そして私はメモに目を落としカメラで撮影した。
そのメモを握りしめたまま……
一人で支払いを済ませる。
ホテルを出るころには空が白みかけていた。
朝焼けを見ながらひとりの家路。
顔がひどいので俯き加減で急ぐ。
あの時の朝焼けは、ただ綺麗だった。
暖かな胸に包まれて、希望に溢れていたあの日の朝。
先輩……
どうしよう。
いつまでも浴室に逃げているわけにもいかない。
ふやけた肌。火照った体に、凍るように冷めた心。
シャワーを止め、タオルを取るとふわっと鼻に……
シャボンの香りがした。
その懐かしい香りのせいで……
また涙が出そうになるのをぐっとこらえる。
対峙するために、涙を武器に使いたくない。
身支度を整え、意を決してドアを開け部屋に立ち入る。
部屋は暗かった。
そして、ベッドは乱れてそのままだったが……
人の気配はない。
主任はすでにそこにはいなかった。
テーブルにはホテルのお金と思しきものとメモ。
そのメモにはメールアドレスがだけが書いてあった。
勝手に帰れってことなのだろう。何かを望んでいるわけではなかったけど…
やり棄てられたような、嫌な気持ちになる。
それなのにメモを指でつまみあげ、自分のカバンにから携帯を出し、
ソファーに身体を沈めてから、瞼を閉じ深呼吸する。
そして私はメモに目を落としカメラで撮影した。
そのメモを握りしめたまま……
一人で支払いを済ませる。
ホテルを出るころには空が白みかけていた。
朝焼けを見ながらひとりの家路。
顔がひどいので俯き加減で急ぐ。
あの時の朝焼けは、ただ綺麗だった。
暖かな胸に包まれて、希望に溢れていたあの日の朝。
先輩……
どうしよう。