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揺れる恋 めぐる愛
第2章 日常と非日常
私は歩きながらふと手の中のものに気づいて顔をしかめる。

駅構内のかごに握りしめたものを手放した。

昨夜の私もこんなふうに捨ててしまいたかった。


あれから電車に乗り、コンビニで俯きがちのまま食べ物を買い、

家に帰った。

適当にキッチンに袋を投げ入れ、携帯を探って、

しばらく画面を見つめたまま握り締めた。そして…

思い切って電源を切り放り投げた。


取りあえずは……

誰ともかかわりたくなかった。

空は益々明るくなってきているのだろう。

遮光カーテンの隙間から明るい光が漏れている……

私は明るさを怖れるように、電気もつけずベッドにもぐりこむ。


もういい、もう少しこのまま……

掛物の隙間からTVにリモコンを向け、

スイッチを押すとTVショッピングが流れた。

ぼーっと頭にかぶったまま視線だけを向ける。


それからの私は……

お腹がすいたら食べ、トイレに行く。

気が付いたら……

寝ているときもあった。

時計なんてもう……

関係ない。

さっきシャワーも浴びたからしばらくはいい。

服を脱いでしまえば……

わからない感情が溢れ出してこぼれてしまう。

私はその週末、あの夜にあったことをすべて消し去ろうと

やっきになった。

女であることもやめたかった。


もうこんなふうになるのは……

ほんとうにいやだ。
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