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揺れる恋 めぐる愛
第15章 悪運と悪運
拾ってあげたキーケース?何?誰???

相手はおとこの足だから、徐々に迫ってくる。

どこまでいけるかわからないけど、

でも絶対に追いつかれたくなくて

私はいつの間にか小走りになっていた。

走りながらも頭の中はフル回転する……


この人はどこの誰なんだろうか?

この辺に逃げ込めるところがどこかにあった???

必死に逃げても、お互いの距離は

無情にも少しずつ詰まっていく……

部屋のあるアパートが視界に入ったが、

このまま入るよりはと通り過ぎた。

それなのにそこでおとこが突然立ち止まった。

私も十分な距離を開け、足を止める。

「どうしたの?ソコを上がるはずだよね?」

私の部屋の方を指さしているように見え、

背筋に冷たいものが伝い下りる。


今までも後を付けられていたことがあった?

なんで知っている??


カバンの中の携帯を探す。

焦っているから中身をかき回しても暗さもありわからない。


相手がこっちに近づかないか気にしながらも

震える指なんとか携帯を握る。

折り曲げられたそれを開いて電話をかけた。

目はおとこを見据えながら耳の音に集中する。

『プルルルル……プルルルル……プルルルル……』
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