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揺れる恋 めぐる愛
第2章 日常と非日常
化粧室にたどりつき中へと入った。

さっきもらったキーケースを鞄にしまおうとすると、

ジャラジャラっという鍵がすれ合う音がして、

中から紙が1枚床に落ちた……


私は2枚に折られたそれを拾い上げて開く。

その内容に……

瞳を見開いてその紙を穴が開くほど見たが……

それ以上読む気にならなくて……

キーケースのチャックの中に押し込んでから、鞄に戻した。


それから今度は洗面台の端でさっき震えていた携帯を開く。

蓮先輩……

だった。


[どうしてる?そっちに行ってもいいかな?]


実は、あの朝電源を落として週明け再び入れてからも、

珍しく先輩からは一度も連絡がなかった。

私の方は、相変わらず余裕がなくて……

今日の仕事が終わってから、電話で連絡しようと思っていた。


私はうれしい気持ちになりながらも、この際落ち着いてからゆっくり……

と携帯をひとしきり抱きしめてからしまった。


化粧室を出ると……

誰かにぶつかった。

とたんに、身体がビリっとしたような気がしてはっとして顔を上げる。


なぜその人がそこにいるのか……

わからなかった。
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