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揺れる恋 めぐる愛
第2章 日常と非日常
「なんであの夜、俺について来た?

なんであの時……

拒まなかった?」

彼の瞳の色が一気に悲哀を濃くする。

「それは……」

私は自分でもよくわからない気持ちを

表す言葉を見つけられなくて濁す。


彼は私を掴んだ腕をグイと強く引いて……

そばの薄暗い路地に連れ込んだ。

そして……

耳元に唇を寄せ、悪魔のように囁いた。


「嫌なら拒め。泣いて喚いて、抵抗すればいいだろう?

お前の曖昧なそれな!結局OKって言ってるのと同じなんだよ。

今だって、どうなんだ?結局……

なすがままじゃないか!?」

そう言って私の足に膝を割り込ませ、膝頭をグイと押し上げた。

この頃そういう刺激に慣れていない躰が……

困惑して震えていた。

「堕ちろよ。堕ちるところまで……

堕ちてきてしまえ!!」

耳たぶに痛みが走り、甘噛みされる。


私は聴覚と触覚を冒される行為に躰中に再び震えが走り、

足元が崩れそうになる。


彼が腕をつかんでいた手と反対の手を素早く腰に回し、

崩れかけた私を抱きとめる。


「ほら、こっちは素直だ。このまま行くぞ……」

口角が上がり黒い笑みを浮かべ、腰を抱えられたまま

彼と夜の街を彷徨うこととなった。
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