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第1章 躰と心

たゆたう意識の中でふと思う……

セックスはあまり好きではなかった。

食って、眠って、ヤルことは神様が人に与えた欲。

醜い肉欲に操られてただ交わる行為に何の意味があるんだろう……

所詮、その程度のこと。

そんな理論武装で守っていた私の硬い殻を、

この男はほんの一瞬で壊してしまったのだろうか？


それから意識が戻ってきてからも、しばらく……

じっと腰を押し付けたまま、躰を揺すぶり続けていた。


突然腰を大きく縦にグイと持ち上げられる。

目前で火花がパチッと弾けた……

次に横にずらして奥を抉る。

また閃光が煌めいた……

そうやってグラインドされると、チカチカと視界が瞬き、

膣（なか）が歓喜に震え、その証拠にドロっと雫を垂れ流す。


「んっ！」

「あん！！」

「ひゃん！！！」

グチュ、グニュ、ニチュ、ジュポ……

濡れた水音を響かせて奥を何度も探り、堪能され、

自分のどこから出るのかわからない艶声が

耳に、頭に木霊する。

こんなことがいつまで続くのか……

心底怖くなった。



それから……

やっと律動を刻み始めた。


これでもうじき終わるはず……

でもその考えは甘かった。

奥まで抉られると思えば、浅く途中で留まり物足りなさに戸惑う。

抜き挿しされるモノに感覚の全てが集中して

息を荒げ、無心に啼かされ続けた。