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揺れる恋 めぐる愛
第2章 日常と非日常
そんなふうにはっきりと独占欲をほとんど表に出さない先輩が……

今夜は一体どうしたのだろうか?

薬指に感じる唇の心地いい感触を受け止めながら……

ふと今日あったことが脳裏をよぎる。


宮原さんも穏やかで優しい人だと思っていたのに、

落ちていたからとわざわざ届けてくれたキーケースに中に、

自分の連絡先のメモを挟んでいた。

つけてきたような感じもあったし、あんな時にあんなことをするなんて、

抜け目がないと思った。

私も用心していたからそれ以上の事は何もなかったけど、

男と女の始まりなんてこんなものなのかもしれない。

相手に対して好意を持てばアプローチをかけようと行動するのは当然の事。

それでもお互いに気持ちの行き来がなければ擦れ違いで終わってしまう。

さっきの宮原さんの雰囲気が、どうしてもあの時の主任と重なってしまう……

そう思っているときに現れた主任。


あまりのタイミングの悪さに、心臓が飛び出るかと思った。

仕事を一緒にしていた時には見えなかった主任の持つ寂しさ。

どうしてこんな私に執着し追い続けるのだろうか?


色々なことがあったけど、今日は先輩に会えて本当によかった。

やっぱり私には先輩が安心する。落ち着ける。

そんなことを思いながら……

私は眠りに落ちた。
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