この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
揺れる恋 めぐる愛
第3章 理解と誤解
10月の終わりの週末、久々先輩の元を訪れた。
金曜日の夜新幹線で帰ると、先輩が駅まで迎えに来てくれた。
新幹線に乗り込むとき、到着時間をメールしておいたから……
私が改札を出て車のロータリーまで降りると、先輩の車が見えた。
私に気づいたのか、車から降りて手を上げる。
たまにメールはしたけど……
あのお盆休み以来だった。
お互いがお互いの姿を確認すると、足早に歩いて近づいていく。
「先輩……」
私は先輩の前に立ち、その目を見つめた。
「ただいま、野乃花」
口角が上がって柔らかく微笑む。
「先輩、それ私のセリフですよ?」
「うん。でもね、僕のセリフでもあるから……」
私の荷物にすっと自然なしぐさで手を伸ばして、受け取る。
先輩は手袋をしていた。
荷物を持つ先輩に続いて私は車まで歩き、助手席に乗り込んだ。
静かな車内。車が静かに走る……
しばらくして雨が降り始める。
「雨ですねぇ」
「あ~ぁ、天気予報外れたなぁ」
「あっちは晴れてました。
ニュ―スで紅葉が始まっているって言ってました」
私はそのニュースを聞きながら、先輩の誕生日がもうじき来る。
そんなことを思った。
金曜日の夜新幹線で帰ると、先輩が駅まで迎えに来てくれた。
新幹線に乗り込むとき、到着時間をメールしておいたから……
私が改札を出て車のロータリーまで降りると、先輩の車が見えた。
私に気づいたのか、車から降りて手を上げる。
たまにメールはしたけど……
あのお盆休み以来だった。
お互いがお互いの姿を確認すると、足早に歩いて近づいていく。
「先輩……」
私は先輩の前に立ち、その目を見つめた。
「ただいま、野乃花」
口角が上がって柔らかく微笑む。
「先輩、それ私のセリフですよ?」
「うん。でもね、僕のセリフでもあるから……」
私の荷物にすっと自然なしぐさで手を伸ばして、受け取る。
先輩は手袋をしていた。
荷物を持つ先輩に続いて私は車まで歩き、助手席に乗り込んだ。
静かな車内。車が静かに走る……
しばらくして雨が降り始める。
「雨ですねぇ」
「あ~ぁ、天気予報外れたなぁ」
「あっちは晴れてました。
ニュ―スで紅葉が始まっているって言ってました」
私はそのニュースを聞きながら、先輩の誕生日がもうじき来る。
そんなことを思った。