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揺れる恋 めぐる愛
第3章 理解と誤解
お店は、新しくできたショッピングモールにあった。

場所を先輩に告げ車で連れて行ってもらう。

「先輩って運転の時、手袋なんてしてましたっけ?」

車中で、私は何げなく聞いたのに、先輩は一瞬ぎょっとしたように見えた。

「前はしてなかったけど……

季節的にも少し寒いし、手を大事にしなきゃと思ってね」

「大切にしてください。

私先輩の手……

特に好きです。

その細くて長い指も、その手から生み出される自然できれいなしぐさも……」

頬を染めながらそんなことを告白してしまった。


モールの駐車場に車を駐車し、桟橋を渡ってモールに入る。

桟橋からは併設している公園の木々にイルミネーションが

輝き、素敵な雰囲気だった。

先輩がそっと私の手を握った。

一面にきらきら光る粒を眼下に眺めながら私たちは店に向かった。


店の前から入り口を通って中に入り、店員に声をかける。

「藤本で予約しています」

「はい、こちらにどうぞ」

店員に案内され、奥まった場所にある席に案内される。

プライベートスペースと呼ばれるわれるその場所は

夜はろうそくの明かりと間接照明だけで少し暗い。

窓からの景色が眺められるように二人で座るソファー、

その前にテーブルがあり、恋人同士が周りの視線を気にせず

親しく食事ができる雰囲気だった。
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