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揺れる恋 めぐる愛
第3章 理解と誤解
そのまま立っていると、後ろから強く手を掴まれた。
振り切ろうとして振り向き……
やめた。
「先輩」
切なそうな顔の先輩が私の手を握り締めて立っていた。
「ののか」
「今日はとりあえず、このまま帰る」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。もう1泊する予定だっただろ?
荷物もまだうちに……」
「今先輩と話したら、私、別れることしか……
もう帰りたい」
「なんで結婚してくれって言って喜んだのに別れるなんて言うの?
どうして?このまま帰るなんて……」
「もう、結婚したいかどうかもわからなくなった……
一人になって考えたい」
「のの……」
先輩は私の顔を見ようとするが、私は視線を合わせようとしなかった。
「わかった。でもこのまま一人で帰るのはやめて。
とりあえず、家まで帰ろう。荷物取って送るから」
先輩の言葉に私は、険しい目でにらんで威嚇した。
それでも先輩はその非難を受け入れるように対峙した。
そして、私の手は決して……
決して離さなかった。
それから静かに駐車場のある桟橋の方に手を引いて歩く。
帰りのイルミネーションは寂しく瞬いて辛い気持ちになった。
おそらくこの光の景色は一生心の奥底に
仕舞い込まれることになるだろう。
それが、別れの記憶なのか、幸せへのスタートの思い出なのか……
どうか、神様……
私は祈らずにはいられなかった。
振り切ろうとして振り向き……
やめた。
「先輩」
切なそうな顔の先輩が私の手を握り締めて立っていた。
「ののか」
「今日はとりあえず、このまま帰る」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。もう1泊する予定だっただろ?
荷物もまだうちに……」
「今先輩と話したら、私、別れることしか……
もう帰りたい」
「なんで結婚してくれって言って喜んだのに別れるなんて言うの?
どうして?このまま帰るなんて……」
「もう、結婚したいかどうかもわからなくなった……
一人になって考えたい」
「のの……」
先輩は私の顔を見ようとするが、私は視線を合わせようとしなかった。
「わかった。でもこのまま一人で帰るのはやめて。
とりあえず、家まで帰ろう。荷物取って送るから」
先輩の言葉に私は、険しい目でにらんで威嚇した。
それでも先輩はその非難を受け入れるように対峙した。
そして、私の手は決して……
決して離さなかった。
それから静かに駐車場のある桟橋の方に手を引いて歩く。
帰りのイルミネーションは寂しく瞬いて辛い気持ちになった。
おそらくこの光の景色は一生心の奥底に
仕舞い込まれることになるだろう。
それが、別れの記憶なのか、幸せへのスタートの思い出なのか……
どうか、神様……
私は祈らずにはいられなかった。