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喪われた記憶
第2章 誘拐




『……お前をどうするか?』



「…」



『…気の済むまでいたぶって殺す』



「…っ!!」




そういった瞬間男の纏う空気が変わった



『………とでも言われたいのか?』




……ように見えた。



「……え?」




『…何だ』



「……殺さない……んですか?」



『は?…殺して欲しいのか?』



「…え!?いや、そういうことじゃなくて…」



呼吸を整えて気持ちを落ち着かせる。


…状況的に無理なんだけど。



「…その…どうして私を誘拐したんですか?」











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