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喪われた記憶
第2章 誘拐



「…っ!!」


首に鋭い痛みを感じても


恐怖のあまり声が出ない。


「……」


ぎゅっと目を瞑り、


男の次の言葉を待つ。





「『………………』」







………長い沈黙。



先に破ったのは男の方だった。




『……ふっ…怯えてんのか?』


目の前で笑い出す男に更に警戒心が高まる。



「………」


『どうした、何か言いたいことでもあるのか』



そう問いかけられて、

私は頑張って問い返した。




「……私をどうする気なんですか………」




震える声を抑え、必死に絞り出した一言。







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