この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
喪われた記憶
第10章 引っ越しの前に
『…ぷふっ』
「………ッ」
きっと今の私の顔は真っ赤に違いない。
ヤケで言ってみたのはいいけれど、その後の恥ずかしさは半端じゃなくて。
『よく出来ました~』
「…………………。」
『今日からそれで呼んでくれるよね?』
「…………“NO”の選択肢なんてないくせに…」
そう言ってむくれた私にまた笑い始める。
「もうっ…いい加減準備させてくださいっ
家にも電話しなきゃいけないんですよ?
忙しいんですから手伝ってくださいね!」
『おー、こわっ』
そんな彼をほっといて、私は玄関の外に出た。