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喪われた記憶
第11章 清白家
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―――ぱたん……
月琴が叔父さんと叔母さんに会いに、家の奥へと入ってしまった後、何もすることがなく。
とりあえず固まっていた。
理由はそれだけじゃない。
『「…………………………………。」』
なぜか妹にじっと見られていた。
いや、見られているというよりは睨まれているに近いかもしれない。
居心地が最高潮に悪くなった時、
「あ…じゃあ、僕は車で待ってますから。」
我ながらいい逃げ道だと思った。
踵を返して足疾に立ち去ろうとすると、
『………旧友ですか……………』
―――え…………?
その子のものとは思えないほど低い声でそう呟かれた。