この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
喪われた記憶
第11章 清白家
「…だったら何なんだよ?」
思わず言葉が荒くなって自分でも驚いた。
『…りーちゃんに…姉に近づかないでください。』
「……!?」
意味が分からない。
なぜそんなことを俺が言わなければならないのか。
部外者が口を挟むんじゃない。
「酷い言い様だな。」
『当たり前じゃないですか。
こっちは必死なんです。』
「俺がいたら何か不都合でもあるのかよ?」
適当に発した一言だったのだが…
一瞬妹がたじろいだ。
『ありますよ』
「どんな?」
『………私の口から言うのはちょっと荷が重すぎます。』
「……何それ。」
『っ…でも!あなただけはどうしてもダメなんです!
ご理解ください!
あなたが姉のことを好きだと言ってくれるなら…
どうか離れてやってください…っ』
そう、俺に必死に訴えかける目には涙が今にも溢れそうだ。