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喪われた記憶
第11章 清白家



俺は何も言えないでいた。



『…今日は何をしにこちらへいらしたんですか』


「……同棲許可を得るため。」


『……帰ってください!』


「…嫌だね」


『…話が分からない厄介な嘘つきは出てってください。』


「……どうしてそこまで俺を拒否する?」


『……』


「…言えないようなことなのか?」


『……』


「………ハァ………」



俺が玄関を開けようとした時…

服を引っ張られた。



『……待ってください…っ』


「…どっちだよ」



仕方なく振り返る。



『…5年前』


「……?」


『…りーちゃんに何があったかご存知ですか』


「…いや。
まさかなにか知ってるのか?」



俺は初めて妹をしっかり見た。



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