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喪われた記憶
第11章 清白家
『…知ってるも何も…見ましたから…っ』
その声は気のせいか震えている。
「…あいつに…月琴に何があった?」
『り…りーちゃんは……っ』
――――コソコソ
「……………何……だって…!?」
『……私は一度しか見てないから…
詳しいことはわかんないけどっ。』
「………………」
『日に日に笑顔がなくなっていくのは………
わかってた…っ。』
「……………」
『……私………助けてあげられなくてっ…』
妹の頭に手をのせる。
『ごめん…なさ…いっ………』
「…月琴に記憶がないのは……
俺のことも忘れていたのは……
それが理由ってわけか。」
『…あなたと一緒にいたらっ……
りーちゃんはきっと思い出しちゃうっ。
だから…離れてって言ったのっ……』
「……そっか……ありがとな…」
『青瀬さん……
りーちゃんを救ってくれる?
……もしりーちゃんが全部思い出してしまった時、
そばで支えてくれる?』