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喪われた記憶
第12章 月琴の過去



夕方学校を出た私は、急いで家に向かう。



りーちゃんが一人じゃかわいそう…



帰ってりーちゃんのお世話をしなくちゃ…





家に帰った私は、お父さんの自転車を見つけた。



お父さん…早く帰ってきてくれたんだ。



少し安心して、玄関を開ける。



「ただいま~!」



いつものように言ったのに、



返事が帰ってこなかった。



おかしいな……そう思った私は



手洗いうがいをして、自分の部屋に荷物を置くと、りーちゃんの部屋へ入った。



でも、誰もいなくて―――。






その時だった。






『……………………』


『……………』






声が聞こえる。


二人の声が……寝室から………。








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