この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
喪われた記憶
第12章 月琴の過去
夕方学校を出た私は、急いで家に向かう。
りーちゃんが一人じゃかわいそう…
帰ってりーちゃんのお世話をしなくちゃ…
家に帰った私は、お父さんの自転車を見つけた。
お父さん…早く帰ってきてくれたんだ。
少し安心して、玄関を開ける。
「ただいま~!」
いつものように言ったのに、
返事が帰ってこなかった。
おかしいな……そう思った私は
手洗いうがいをして、自分の部屋に荷物を置くと、りーちゃんの部屋へ入った。
でも、誰もいなくて―――。
その時だった。
『……………………』
『……………』
声が聞こえる。
二人の声が……寝室から………。