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喪われた記憶
第12章 月琴の過去



その次の朝。


りーちゃんは学校を休んだ。


『…体調が悪くて。ごめんね。』


珍しかった。


無遅刻無欠席をポリシーとしてきたりーちゃんが、


体調不良で休むなんて。


マスクをつけていて目しか見えなかったけど、


赤く充血していた。


まぶたも腫れていたから、さすがの私も心配になった。


「安静にしててね…りーちゃん。」


『…ん。ありがと。いってらっしゃい。』



後ろ髪を引かれる思いで、私は家を出た。









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