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喪われた記憶
第12章 月琴の過去



連れて来られたのは公園。



もっと小さい頃、二人でよく来ていた。



『…あのね、夏恋。

私には好きな人がいるんだよ。』



びっくりした。



「えっ!……誰っ?」



『夏恋は知らないよ~。
学校の先輩なの。
私はその人が好きで、その人も私のことを好きって言ってくれたの。』



「じゃあ…彼氏さんだね!?」



『うん。
かっこよくて優しくて…
時々性格が変わって……
でも、すごくいい人。』



私はその時にしたりーちゃんの表情は初めて見た。




ほっぺが赤くて…



恥ずかしそうだけど



どこか嬉しそうで………



私もすごく嬉しくなった。




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