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第12章 月琴の過去

悲しみに暮れるみんなを見て、私は思った。



―――いっそのこと、誰にも言わなければ済むのではないのか。



りーちゃんだってその忌まわしい記憶が消えているようだし、何よりも他の人は私達の間に何があったかなんて知らない。



それなら。



私が黙っていればもう誰も傷つかなくて済むんじゃないのか。




傷を負うのは私だけでいい。




リーちゃんを救えなかった罰として、私だけが事実を知っていればいい。