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喪われた記憶
第13章 新しい生活
彼の方を向かされると
こつん、と額をつけられた。
近すぎるその距離にまた胸が苦しくなる。
『…月琴』
「…ん」
紫苑に呼ばれると自分の名前が特別なもののように感じる。
『好きだ』
「!……きゃあっ!?」
ささやかれた瞬間体がふわっと浮いた。
『…昨日同様手加減できないから。
今まで抱けなかった分…取り戻してやるよ。』
「……………っ!」
そんな顔で
そんな声で
そんなこと言わないでよ………
「ダメだよ…まだ明るいから嫌。」
『そんな顔で言われても説得力ねーし。』