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喪われた記憶
第14章 恋敵?
私を追って駐車場へと走ってくる紫苑。
車の鍵を開け、二人で乗り込む。
「…今日は早かったんだね。」
『ああ。大仕事がやっと終わってさ。
暫くは帰るの早くなるから、迎えに行こうと思って。』
「…そっか。わざわざありがと。
疲れてるのにごめんね。」
『俺が好きでやったんだし。
それとも…来ないほうが良かった?』
「………いや、そんなことないよ」
普通に答えたつもりだったんだけど、
顔にでていたみたいで。
『………なんかごめんな』
「……そうじゃないよ。
紫苑は嫌じゃなかったのかなと思って。」
『俺が?何で?』
「……………帰ろっか。」
なんだか言いたくなくて、逃げてしまった。
紫苑は不思議そうな顔をしたけど、
車を出してくれた。