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喪われた記憶
第14章 恋敵?



なら、早く。



早く動かなければ。



私が完全に紫苑を好きになってしまう前に。



<月琴>と紫苑のために。



紫苑がいたから<月琴>がいた。


<月琴>がいたから私がいる。


どちらも私にとっては大切な存在には変わりないだろう。



だから……



私は二人にできることをする。



明日は土曜日。



紫苑に思い出の場所にでも連れて行ってもらおう……



そう考えていると、



―――カチャ



扉が開き、


紫苑が出てきた。








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