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喪われた記憶
第15章 過去を辿って
変わった様子はなさそうだった。
紫苑が私に触れた瞬間……
物凄い悪寒が走った。
それは触れられたからではない。
何か……
何か違う。
あれは外から……
さっきのは…人の視線?
でも誰が…………
曇った私の顔を見て、
『月琴?大丈夫か?』
心配そうに声をかけてきた。
「あぁ…ごめん、大丈夫。
寄り道しちゃってごめん。帰ろ?」
そう返して、そそくさとその場所を去った。
それは正解だったのか、間違いだったのか……
二人が動き出した後、
公園の外で何故かずっと止まっていた人影も動いた。