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喪われた記憶
第16章 忍び寄る影



車に乗せられて、大学へ向かう途中。




『もうそろそろ夏季休暇か?』



「………そうだね。」




そんなことを聞くなんて、悪い予感しかしない。




『じゃあ…二人で居られる日が増えるんだよな。』



「……することは沢山あるからね。」



『うん、俺も。』



「…じゃ、そっち優先してよ。」



『今?』



「ハイハイ…今…って……は!?」




ガクン、と助手席が倒され、


信号が止まっているのをいいことに覆いかぶさろうとして来る。






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