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喪われた記憶
第16章 忍び寄る影



『腰が痛くて動けないでしょうから、
 私が車までお運びいたしますね?』



「…わああっ!?」




ふわっ……と持ちあげられ、


急な無重力感に驚く。




「…やめてっ!
 誰かに見られたら嫌だから!」



『…見られてもいいじゃん?
 寧ろ見せつけてやろうぜ。』



「…………!!」




何も言えなくなった私を笑って、




『では、参りましょうか。』




そのまま家を出た―――。










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