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喪われた記憶
第16章 忍び寄る影





「…私、なんか言ってた?」




そう聞くと、


紫苑は苦しそうに顔を歪めた。





『うん…助けてって唸ってた……』




「ありがと……起こしてくれて良かった。」



『今日はもうゆっくり寝ろよ。
 俺が言える立場じゃねーけどな。』





あれ……?





「…ここ、家?」




『そ。
 大学から電話あってさ、
 眠り姫を連れて帰ってくれませんかって。』




「………!」





先生と瀬奈ちゃんだ…。


絶対そうだ。





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