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喪われた記憶
第16章 忍び寄る影




『だから王子様の俺がお姫様抱っこして
 ここまで連れ帰ったってわけ。』



「………っ!!!」




余計なこと言わないでよ……




『めっちゃ注目浴びてた。』




そんなに嬉しそうに言うことじゃないからっ!





「困るのは私なの~!
 紫苑が良くても私は良くないの!」



『………ちょっとした害虫駆除だろ。』



「…がっ!?」





私の言葉なんか聞かない紫苑。




『…ツベコベ言わずにさっさと寝るぞ。』



「…まだお風呂入ってないからダメ。」



『………悪い、寝てる間に洗った。』



「……はぁっ!?」








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