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喪われた記憶
第16章 忍び寄る影




しばしの沈黙が続いた後。


紫苑がそっと入ってきた。





そして、後ろからぎゅっ…と抱き締めてくれた。





「……暑くないの?」



『クーラー効いてっから。』



「…そっか……」





紫苑の腕に自分の腕を重ねる。





「………ありがとね。」




『……どういたしまして。』





そこに紫苑がいる………




それだけで今の私はすべてが満たされるような気がした。












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