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喪われた記憶
第19章 刻み始めた時
『…あの時の俺の言葉を完全に忘れているだろう?』
あの時――――
「男のくせに…昔のこと蒸し返すなんて
未練がましいんじゃない?」
――――バシッ
『…そんなこと言える立場か』
不意に立ち上がり…
『…いい加減覚悟を決めろ。
俺から逃れることは不可能。
それ以外にお前には何ができる?
お前は決して馬鹿な子じゃない。
…お前がすべきことは何だ?」
包丁を首に突き付けられる。
―――悔しい…悔しい…っ!!
でも、逃げられないって分かってるから…